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高性能住宅の秘密:ヒノキ土台と二重断熱で実現する快適な住まいづくり
目次
1. 高性能住宅を支える「見えない価値」とは?
家づくりを考えるとき、多くの方は間取りやデザイン、設備に目が行きがちです。しかし、本当に長く快適に暮らせる家にとって最も重要なのは、普段目に見えない部分にある「構造」や「断熱性能」かもしれません。
今回は、三重県の建築現場を訪れ、エコ窓断熱プロの高橋さんに、高性能住宅の土台から屋根まで、その「見えない価値」について詳しく教えていただきました。白アリに強い特殊な土台や、二重の断熱方法など、プロだからこそ知っている家づくりの秘密を紹介します。
2. 白アリに強いヒノキ土台—日本の伝統が持つ驚きの効果
「土台には、ヒノキの木を使っているんですよ」
高橋さんはそう言って、建物の基礎部分を指さしました。土台とは建物の一番下の部分、いわば家の「足」にあたる重要な部材です。この部分に、なぜヒノキが選ばれているのでしょうか?
2.1 ヒノキが白アリに強い3つの理由
- 乾燥しやすい素材である:白アリは湿気の多い環境を好むため、乾燥しやすいヒノキは白アリにとって住みにくい環境となります。
- 高密度で硬い:ヒノキは密度が高く硬いため、白アリが噛むことが難しい素材です。
- ヒノキオールの効果:ヒノキに含まれる「ヒノキオール」という成分が、白アリの神経系に作用し、撃退効果があります。
「ヒノキは日本の古来の木造建築でも使われてきた木材なんです。日本人は『ヒノキ神話』とでも言いますか、ヒノキの良さを昔から知っていたんですね」と高橋さんは説明します。
2.2 さらに強化する土台パッキン
土台の下には黒い部材が見えます。これは「土台パッキン」と呼ばれるもので、基礎と木材の間に隙間を作り出す役割があります。
「この土台パッキンによって、床下が常に乾燥した状態を保てるんです。白アリは湿気の多い環境を好むので、乾燥した環境を作ることで白アリ対策になります」
2.3 三重の白アリ対策
高橋さんの会社では、白アリ対策として以下の三重の対策を施しています:
- ヒノキの土台使用
- 土台パッキンの設置
- 基礎から1m以内の高さに白アリ防除薬剤の散布
「これら三重の対策によって、白アリの被害から家を守っているんです」と高橋さんは胸を張ります。
3. 耐震性能を高める二重の工夫
住宅の安全性において、耐震性能は最も重要な要素の一つです。高橋さんの会社では、耐震性能についても二重の対策を講じています。
3.1 耐震等級3の取得
「私たちの建物は、全棟『耐力度計算』というものをして、耐震等級3を取得しています。つまり、公的に認められた耐震等級3の性能を持っているということです」
耐震等級3とは、建築基準法で定められた耐震性能の1.5倍の強さを持つことを意味し、住宅性能表示制度における最高等級です。
3.2 制震ダンパーの設置
「さらに、制震ダンパーも設置しています。これは『ダイナコンティ』というもので、公的機関で100万回以上の実験を重ねた信頼性の高い製品です」
制震ダンパーは、地震の揺れを吸収して建物への負担を軽減する装置です。耐震等級3で家の強度を高め、さらに制震装置で揺れを抑えるという二重の対策により、地震に強い住まいを実現しています。
4. 快適な室内環境を作る「付加断熱」
家の性能で、断熱性能は住み心地に直結する重要な要素です。高橋さんの会社では、「付加断熱」と呼ばれる方法で高い断熱性能を実現しています。
4.1 外断熱と内断熱の二重構造
「私たちは外と内の両方に断熱材を入れる『付加断熱』という工法を採用しています」と高橋さん。
外側にはEPS(発泡スチロール)という断熱材を使用し、内側には高性能グラスウールを使っています。通常は内側だけに断熱材を入れる「充填断熱」が一般的ですが、外側にも断熱材を入れることで、断熱性能が飛躍的に向上します。
「この外断熱によって、断熱性能が倍近くまで高まります。また、柱の熱橋(ヒートブリッジ)をなくす効果もあるんです」
4.2 高性能グラスウールと防湿シート
内側の断熱材には、裸のグラスウールに防湿シート(気密シート)を貼る工法を採用しています。
「通常、グラスウールは袋に入った状態で使われることが多いのですが、私たちは裸のグラスウールに防湿シートを貼っています。これには二つの理由があります」
- 結露対策: グラスウールは湿気を吸いやすいため、防湿シートで保護することで結露を防ぎます。
- 気密性の向上: 防湿シートを貼ることで、住宅の気密性が大幅に向上します。
「この防湿シートの施工は非常に手間がかかります。すべての継ぎ目を気密テープでしっかりと止めなければならないからです。これはプロの技術が必要な作業なんです」
4.3 外壁の防水性能も強化
外断熱の下には特殊な防水シートを使用しています。通常の防水シートとは異なり、水が万が一入った場合にも下から流れ出るような設計になっています。
「この防水シートは、青い点々が特徴的なものを使っています。これにより、水分も適切に排出される仕様になっているんです」
5. 長期的な視点で考える家づくり
高橋さんが最も強調していたのは、家は「長期的な視点」で考えるべきだということです。
「私たちは20年後も30年後も同じ断熱性能を担保するような工夫をしています」
一見地味に見える構造や断熱の部分こそ、実は家の価値を長期的に支える重要な要素なのです。
6. まとめ:見えない部分にこそ家の価値がある
家づくりにおいて、見た目の美しさや使いやすさはもちろん大切です。しかし、それと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが、普段は目に見えない「構造」や「断熱」の部分です。
- 白アリに強いヒノキの土台
- 三重の白アリ対策
- 耐震等級3と制震ダンパーによる二重の地震対策
- 外断熱と内断熱を組み合わせた付加断熱
- 防湿シートによる結露対策と気密性向上
これらの「見えない価値」こそが、長く快適に暮らせる家の秘密なのです。家づくりを検討される際は、ぜひこうした部分にも目を向けてみてください。
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